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劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデンの感想(ネタバレあり)

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『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を見てきました。

映画の時間半分くらい泣いてました。歳を取るにつれて涙腺イカれてきてます。

とにかく、とっても良かったので感想をまとめてみたいと思います。

いや、まとまりませんけどね。

ちなみにTVシリーズは視聴済みです。

超個人的な感想です。細かいセリフなど違うところもあると思いますがご容赦ください。

劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデンの感想

まず言いたいのは

再会できて、よっよか、よか・・・良かったあああああ(泣)

ヴァイオレットと少佐が会えるのか、めちゃめちゃ引っぱりましたよね。

TVシリーズも映画も最後までヴァイオレットと少佐が再会できるかハラハラしましたが、その分、会えた時のカタルシスが半端なかったです。

最後の最後に良かったねえええってなります。映画館の周りみんな泣いてました。笑

個人的なポイント

  • 開始10分で泣かせにくる
  • 文明の進化(電話)をネガティブにとらえない
  • ヴァイオレットは冗談を言える子。
  • ヴァイオレットは最後まで「愛してる」を言わない
  • 自分の世界を築いているヴァイオレット
  • まるで伝記のような終わり方
  • 入場者プレゼントでのアフターケア

開始10分で泣かせにくる。

最初からアンの孫を出すとか反則です。

おばあちゃんになったアンは、ずっとお母さんからもらった手紙を大事にしていたんですね。

アンがおばあちゃんになって亡くなったということは、アンより年上だったヴァイオレットはきっともう・・・。

ああ、もうこれはヴァイオレットが過去になった時代なんだなあと思うと少し寂しかったです。

だけど、ヴァイオレットが代筆したアンへの手紙はちゃんと残っていて。

ヴァイオレットはその手紙の中にまだ生きていたんです。

映画の冒頭でヴァイオレットの新聞の記事が飛んでいくのは、TVシリーズ1話のオープニングと同じ演出ですね。

1話で飛んでいったのは、義手になったばかりのヴァイオレットが少佐に書いていた手紙でした。

あのぎこちない手書きの手紙を書いていたヴァイオレットが、新聞に取り上げられるような立派なドールになった。

とても感慨深いです。(涙腺崩壊の序章)

文明の進化(電話)をネガティブにとらえない

『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は、電話が発明されたばかりの時代。

電話が普及すると手紙が廃れるのではという話も出てきます。

その「電話」は、物語中ではネガティブにとらえられるのかと思っていたんです。

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は手紙が重要なキーアイテムで、それによってヴァイオレットは人の心を理解し、素敵な女の子になっていく。

だから、電話が出てきて手紙が廃れると、今まで積み重ねてきたことが全部なくなってしまいそうで。

だけど期待を裏切られました。もちろんいい意味で。

それは、ユリスの最期の場面です。

あれだけ手紙を推している物語なのに、ユリスの最期に電話を使うんです。しかもプライドの高いアイリスが。

最後の最後に心を繋ぐものはやっぱり手紙だろう!と予想していた私の浅はかさですよ。

どんなに抗っても寂しくても時代は進んでいくんです。

新しいから良くないとか、古いから良いとかではなく。そしてその逆でもなくて。

手紙代筆の本質は「依頼者の想いを伝えること」だと思うので、電話を使うという行動は間違いではなかったでしょう。

そう、大事なのは「想いを伝える」っていうことなのかも。

電話が普及しても手紙が廃れても、ヴァイオレットたちが後世に残したのはそういうものなのかもしれません。

私たちの世界みたいにインターネットやスマホが普及しても手紙は完全には無くなっていません。

ヴァイオレットの世界は現実ではなく創造されたものですが、その世界の中ではずっとずっと先の未来もヴァイオレットの想いは残っていくんだろうなと思いました

時代の移り変わりをネガティブにとらえない。だからこそ冒頭の主人公がデイジー(アンの孫)なんですね。

ヴァイオレットは冗談が言える子。

TVシリーズを見返してるんですが、最初のヴァイオレットのぎこちなさが半端ない。本当に人形のようです。

それに比べたら映画のヴァイオレットは、なんて表情豊かになったんだろうと思います。

他の人よりは表情も言い回しも固いんですけど、そこはもうヴァイオレットの個性かなと。

ヴァイオレットとユリスとのやり取りが良かったです。

お子様割引と言うヴァイオレットやグーサインをするヴァイオレット、とっても可愛いです。

同情はもううんざりだから要らない、というユリスに、素直に「そういう感情は排除します」と答えるヴァイオレット。

ヴァイオレットは必要ない嘘はつかないし言葉を飾らない。

気遣ったり心配するよりも、そういう態度の方が人を癒す時ってありますね。なんとなく分かる気がします。

そんなヴァイオレットだからこそ、人の心に届く言葉が紡げるのかもしれません。

ヴァイオレットはもう、ちゃんと「与えられる」側の人間になっているんです。

「命令が全て」から「命令はもう要らない」になって、今では自分の足でしっかりと歩いています。

少佐と再会できなかった時に、ホッジンズが「少佐を殴る」と言ったのを止めて、ヴァイオレットが「自分で殴る」と言ったのが好きでした。

ヴァイオレット、冗談を言える子です。

ヴァイオレットは最後まで「愛してる」を言わない。

ヴァイオレットは、最後まで少佐に「愛してる」と言いませんでした。

絶対言うと思ってた・・・。私の浅はかさ、その2でした。

「愛してる」の言葉は、間違いなく作品のキーワード。

ヴァイオレットが「愛してる」を知るための物語、ですよね?

「愛してる」を少しは分かるようになった、と言うヴァイオレットですが、もうちゃんと分かってますよ。

それどころかヴァイオレットは愛を与えられる女性になっていると思います。

ヴァイオレットと少佐の海での再会、とてもドラマチックでしたね。

あれで会わなかったらもうどうしようかと思いましたよ。

ヴァイオレットは海に飛び込むし、少佐は崖を転がり回るし。2人にしかできない再会だわ。

再会した時、少佐はヴァイオレットに何度も「愛してる」と言います。

それに対して何か言いたいのに、涙で声が詰まって言えないヴァイオレット。

あの泣きの演技とっても素敵でした。(演技とか言うとフィクション感増しちゃうけど)

普段淡々としているヴァイオレットは、少佐のことになると心から感情を震わせますね。

少佐の形見(生きてたけど)をもらっては目を輝かせ、少佐が生きてるかもしれないと聞いた時はとても動揺します。そして再会した時は子供のように泣きじゃくる。

彼女の中の少佐の存在が、どんなに大きいか。

再会の時、ヴァイオレットが少佐に言いたかったのは「愛してる」なんでしょうか。

だとしたら、どうして言わせなかったのでしょうか。

私が映画の制作者だったら、ヴァイオレットの「愛してる」の言葉でバーンと締めくくります。

それが作品の着地点だと思うからです。そういう考えが、私が凡人なところですね〜。

ヴァイオレットの「愛してる」は言わなくたって伝わっています。私たち視聴者には十分すぎるほどに。

伝わるならいいんです。手紙でも電話でも、たとえ言葉にしなくても。

ヴァイオレットが言葉にしなかったからこそ、私は、言葉にしなくてもすでに伝わっていたことに気付きました。

それに、うまく言えない方がヴァイオレットらしいのかもしれません。

追記

後で分かったことですが、再会する前にヴァイオレットが少佐に送った手紙には

「私は少佐を愛しています」

と書かれていたそうです。

Twitterのフォロワーさんに教えていただきました。(ありがとうございます)

私は映画を1回見ただけでは分かりませんでした。視聴者に明確に分からせようという意図はなかったのかな?その辺りはよく分かりません。

だけど、ずっと頑なにヴァイオレットと会わなかった少佐が、ヴァイオレットを追いかけていった理由はしっくり来ました。

ヴァイオレットは、ちゃんと少佐に伝えられていたんですね。それにしても手紙解読した方すごいな。

ヴァイオレットは自分の世界を築いている。

ヴァイオレットとホッジンズが少佐を探しに島に来たときのことです。

少佐にずっと会いたくて会いたくて、本当に再会できるあと一歩のところまできたヴァイオレット。

だけど少佐から会えないと言われて、ヴァイオレットは放心状態になります。

そんな中、ユリス危篤の知らせが届き、我に返ったヴァイオレットはユリスとの約束を守ろうとします。

嵐の中ユリスの元に向かおうとするヴァイオレット。

ホッジンズの「少佐に会わなくても良いの?」という問いに、

「だけど指切りをしたのです!」と答えたヴァイオレットはとても素敵だと思いました。

あんなに会いたかった、彼女の全てだった少佐との再会を放って、ユリスとの約束を果たそうとするんです。

ヴァイオレットの成長がすごく見えた場面でした。

ヴァイオレットの少佐への気持ちって、やっぱり依存もあったと思うんですよね。

原作は未読なので全てを理解しているわけではないのですが。

少佐を慕っていたのは本当だけど、少佐がいなくては生きられないような。それほどに依存に似た強い想いがあったと思います。

だけど、ユリスとの約束を守ろうとする姿を見て、「まず、ちゃんと自分の足で歩いていて、それでも少佐が好きなんだ」と思えました。依存ではなく彼女の意思で少佐を想っているんだと。

きっと依存したままの関係だったら、それは少佐が望んでいたことじゃなかったのかなと思います。例えそばにいたとしても。

ヴァイオレットは、少佐が望んだ通り「その名に似合う人」になれたのだと思います。

映画の最後は、切手になったヴァイオレットの姿がありました。

「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」と映し出される画面に、まるで伝記のようだと思いました。

伝記って普通生まれてから亡くなるまで書かれてるじゃないですか。

ヴァイオレットは10歳から18歳の間の話ですよ。

彼女が戦争の獣から、「その名の似合う人」になるまで。短いようで大きな物語でした。

入場者プレゼントによるアフターケア(私の。)

入場者プレゼントで短編小説の冊子をいただきました。

ありがとうございます。本当に。

映画でヴァイオレットと少佐が再会して、よっしゃあああってなってたんですが。

やっぱりその後の話も知りたいんですよ。

だいたい2人は恋人という認識でいいのか?ヴァイオレットと少佐って15歳くらい離れてるんですよね。

いきなり恋人という関係になるのだろうか?とかもやもやしてたら。

入場者プレゼントの小説が全て解決してくれました。

2人の幸せそうなその後も見れたし、少佐の葛藤なども分かって面白かったです。

原作の小説も見てみたいな、と感じました。

さいごに

言いたいことはまだ色々あります。

ディートフリートさん、やればできるやん!(なぜ上から)とか。

とにかく、ヴァイオレットと少佐が幸せになってよかった。それに尽きます。

原作とアニメは内容が違う部分もあるようですが、原作を読まれた方の反応はどうなのかな?

私自身としてはとっても大満足の作品でした。制作者の皆さまへ感謝です。

この記事を書いた人
ににゃ

月50冊以上マンガを読むただのデザイナー。少女マンガ中心に青年マンガなど何でも好き。元りぼんっ子。一番衝撃受けたマンガは『トーマの心臓』。

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