『青野くんに触りたいから死にたい』めちゃくちゃ面白いです。
伏線があるのはもちろんなのですが、その伏線が抽象的と言うか何というか・・・
とにかく絶妙に分からんのです!笑
7巻で四つ首様編も終わったみたいなので、考察をまとめてみたいと思います。
青野くんに触りたいから死にたい(1) (アフタヌーンコミックス)
別の個別記事でおすすめポイントを紹介しています。
とりあえず結論から。
現時点での予想はこちら。はずれても生温い目で見てください。
青野は神になるのでは!?
- 青野は龍神に近づいている
- 青野は優里から生まれる?
- 優里・美桜・希美は、雨乞い儀式の関係者の家系
- 青野の母親、実はいい人説
ちょっとずつヒントが与えられてる気がするんですが、分かってくるほど謎が深まるっていうね。
では、詳しく整理してみたいと思います。
『青野くんに触りたいから死にたい』考察(7巻時点)
生け贄(いけにえ)の契約
この作品では「生け贄」という言葉が繰り返し使われています。
- 優里が青野くんの生け贄説
- 四つ首様の生け贄の話
- 優里の家族の生け贄制度(優里は翠の生け贄)
作中でも言われていますが、青野が幽霊として戻ってきたきっかけは「優里が自殺しようとしたこと」だと思われます。
手首を切り命を捧げようとしたことで、四つ首様のような現象が起きた?
優里は青野が生き返るための生け贄?
だけど、ただの生け贄の契約ではないような気がします。
ポイントは最初の憑依。
あの時に、優里の処女は失われているのかな、と思いました。
生理と思い込んでいるだけで、あの時の出血はそういうことなのかなと。
(だから20話の時も止める必要がなかった?)
21話(5巻)で、美桜が「青野が優里のお腹で受肉するみたい」と言っています。
最初の憑依の時に、青野が優里のお腹に宿ったと考えられます。
希美や結菜には青野の姿がトカゲのように見えて、しかも優里と繋がってるし・・・。
(へその緒のようなもの?)
優里の命を少しずつ与えられて、何らかの形で青野が生まれるのではないでしょうか。
というか、そういう風に読者に読ませているような気がします。
ミスリードとするなら、予想を裏切る展開があるのかもしれませんが。
×印の意味と憑依時の異空間
×印が出現したのは全部で4回。
- 2度目の憑依の時(電柱)
- 3度目の憑依の時(部屋の壁)
- 4度めの憑依の時(部屋の窓)
- 優里のお腹
黒青野は×印のことを「君と俺がここまで来たという印」と言っています。
どういう意味なのでしょうか?
私が思うに、「優里のお腹の中までの道のり」についたマーキングなのかなと。
うーん、言い方難しいですね。順を追って説明します。
優里のお腹の傷を除き、×印が出たのは憑依されている時です。
憑依時、優里は夢の中のような異空間に飛ばされます。その時の状況を一旦整理してみます。
(スマホの場合は横にスクロールしてください↓)
憑依 | 異空間(夢?)の状況 | ×印の場所 |
---|---|---|
1回目 | ? | ? |
2回目 | ・優里と青野が外にいる ・青野に急かされて家に入る(昔の青野の家?) ・奥の部屋から青野が呼んでいる | 電柱 |
3回目 | ・部屋の食卓に座っている ・青野が優里に無理矢理食べ物を食べさせようとする ・女性が帰ってくる ・青野が優里を食卓の下に隠す ・女性が食卓の下をのぞこうとする | 部屋の壁 |
4回目 | ・優里の部屋 ・ベッドの下に何かの赤ちゃんがいる ・女性が入ってくる ・優里と赤ちゃんはクローゼットに隠れる ・女性がクローゼットに入って優里に抱きつく (死んでもいいの?と言う) | 部屋の窓 |
憑依の2回目の続きが3回目、3回目の続きが4回目と、状況はつながっていると思います。
つながっていると考えるなら、憑依4回目の続きは優里のお腹に×印がついた時。
外→青野の家→優里の家→優里のお腹
「優里のお腹に青野が宿るまでの道のり」のような気がするんです。
そこに付けられた×印。「君と俺がここまで来たという印」。
つまり、優里が青野を生む(?)準備がどこまで進んでいるかという目安なのではないでしょうか。
青野の母親は悪霊ではない?
上記の×印のことを考えると、青野の母親は悪い人ではない気がするんです。
作中に出てくる青野の母親は、得体の知れない悪霊のように描写されています。
生きている時のエピソードも、青野の弟を捨てようとしたり(確かではないですが)自殺したりと、明るいものではありません。
そういうイメージがあるので、青野や優里に害を及ぼすのかと思っていたのですが。
気になったのは4回目の憑依の時のこと。
4回目の 憑依 | ・優里の部屋 ・ベッドの下に何かの赤ちゃんがいる ・女性が入ってくる ・優里と赤ちゃんはクローゼットに隠れる ・女性がクローゼットに入って優里に抱きつく (死んでもいいの?と言う) |
青野の母親は、優里を止めようとしているのではないでしょうか。
そして優里に言った「死んでもいいの・・・?」という言葉。
青野のために優里の命が削られていくのを心配しているようにも思えます。
青野の母親は自殺ですが、そこにも何か秘密があるのかもしれません。
それに本当に青野の弟を捨てようとしたのか、その理由も気になります。
青野の姿の変化と「受肉」の意味
青野の姿は、物語が進んでいくにつれて少しずつ変化しています。
(スマホの場合は横にスクロールしてください↓)
時期(おおよそ) | 青野 | 黒青野 |
---|---|---|
最初 | 前がみが眉より上 | 前がみが眉より上 |
2回目の憑依(4話) | 前髪が眉にかかる | |
3回目の憑依(10話) | 襟足が肩にかかかる | |
3回目の憑依後(10話) | 前髪が眉にかかる | |
15話 | 表情が豊かになる | |
青野の実家に行った後(23話) | 襟足が肩にかかかる | |
大翔の家に行った時(25話) | 牙(キバ)がある |
髪の長さは少しずつの変化なので、おおよそのタイミングを書いています。
幽霊なのに普通、髪は伸びませんよね。(いや、呪いの日本人形的な・・・?)
生け贄の契約により優里から命が与えられて、青野が変化していると考えるのが一番しっくりくるでしょうか。
ただ、青野と黒青野とで姿が違うんですよね。そこが謎。
青野と黒青野は、同じであって同じではない?
特に黒青野の変化が気になります。
髪が伸びるだけでなく、歯が牙のようになっています。
四つ首様の話に出てくる「龍神」と関係があるのかも知れません。
「龍神は蘇った死者のことだと考えられ、なぜか神がかった力を持つ」
青野が優里の生け贄によって蘇ることにより、龍神に近づいている?
だから姿も龍に近づいているのかもしれません。
希美や結菜には、青野の姿がトカゲのようなものに見えていますし・・・。
おそらく4度目の憑依の時に出てきた何かの赤ちゃんのことですよね?
これは龍の赤ちゃんということなのかな?
それに美桜の言っていた「青野が優里のお腹で受肉するみたい」という言葉。
受胎ではなく受肉という言葉を使ってるんです。
【受胎】・・・身ごもること。妊娠。懐妊。
【受肉】・・・神が人の形をとって現れること。
goo辞書より
もう少し時間が経っていれば、蒼太も青野と同じように神に近づいていたのでしょうか。
美桜の結界と咲き乱れる花
作中で、黒青野は美桜の声を嫌がっている描写が何度かあります。
美桜とつながっている電話を切らせようとしてくるし。
予想ですが、美桜の家の中は結界のようなものに守られているのかなと思いました。
4話で青野が美桜の家に入ろうとした時、はじかれて半身がドロドロ?になったことがありましたよね。
それは「招かれなければ入れない」というルールがあるからだと思っていましたが、それだけじゃない可能性もあるのかも。
美桜の家の庭には、花がたくさん咲いています。
花咲いている、という描写はこの作品において何らかの意味があります。
11話で、優里が加々智山で異界に迷い込んだ時、山には花が咲き乱れていました。(異界に行く前には咲いてなかったのに)
32話で優里や希美たちが滝に入った時も、あちこちに花が出てきました。
花が咲いている描写は、異界などの、現実とは違う空間を示しているのではないでしょうか。
美桜の家も現実の世界と異なる部分があるのかも知れません。
それに、美桜は「家から出ることができない」というのも関係があるのかなと思いました。
美桜には何かしらの特別な体質があって、結界で守られている家から出るのが怖い、とか。
美桜はまだ青野に会ったことがありません。(インターホン越しだけ)
たくさん関わって協力しているのに。不自然ですよね。
優里・美桜・希美は儀式の関係者?
優里・青野・美桜・希美は、雨乞いの儀式の関係者の家系ではないかと思います。
本当はねこういうことは刈谷の家にやらせんるんだよ
お前は血に触るべきじゃない
『青野くんに触りたいから死にたい』36話より
36話で希美のひいおばあちゃんが希美に言っていた言葉です。(希美が蒼太の首を落とす場面)
希美と優里(刈谷家)が儀式に関係あるような言い方ですよね。
美桜については、先で書いた家の結界が理由です。
深読みかも知れませんが、苗字も気になります。
- 優里(刈谷)→首を刈る、に関係?
- 希美(渡瀬)→水に関係
- 美桜(堀江)→水に関係
分からないことまとめ
いろいろ語ってきたけど・・・
分からないものは分からない!
ということで、分からないことをまとめてみました。
- 青野はなぜ亡くなったのか?
- 青野の両親はなぜ亡くなったのか?
- 蒼太のお友達とは結局何だったのか?
- 7巻の最後に収録されているエピローグの意味
さいごに
7巻で四つ首様編が終わりだそうです。次は受肉編ということなので、本格的に謎が解けていくんでしょうか。
最初は捨て身だった優里が、青野を大切にすることで自分自身も大事にするようになるんですよね。
そういう優里の変化はすごく素敵で、それと同時に、ラストは優里が助かって欲しいとも思います。
初回50%OFFクーポンもらえるよ
コメント
いつも丁寧で面白い考察をありがとうございます。
最終章が佳境に入り、1〜9巻をぐるぐる読み直しています。
読み直すほどにどうしても、1話の「お通夜にも行けなかった…」の直前、学校から家までの数時間(または数日間?)で優里ちゃんが何をしていたのか、気になって仕方がありません。“バタン”と帰宅した時の表情があまりにも鬼気迫っていて。
その違和感がスルーできないまま9巻まできてしまいました。
これに関する意見を他では見つけられず…もしなにか考察ありましたらいつか触れていただけたら幸いです。
cc様
コメントありがとうございます。1話の青野くんが亡くなった後の優里はとても辛くて可哀想でしたね。「お通夜にも行けなかった」と言っているので、亡くなったことを聞かされた当日(亡くなった翌日)だと私は思っています。ただ、確かにそれまでの数時間、優里は普通に授業を受けられる心境ではなかったと思うので、空白の時間にどんな様子だったかは気になるところです。これからの話で分かる場面があったら考えてみたいと思います!