漫画『チ。ー地球の運動についてー』の1巻を読んだ感想です。
作者 | 魚豊 |
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | 週刊ビッグコミックスピリッツ |
巻数 | 3巻以下続刊(2021年4月現在) |
グロイけどクセになるやつだったァ・・・
↓ここからは超個人的な感想&壮大に「ネタバレあり」なのでご注意ください。
『チ。ー地球の運動についてー』第1集の感想
単純に面白い!と言い難い複雑な感情。
いや、面白いんです。面白んですが・・・
まずちょっとグロいです。
耐性はあるのですが、久々だったのでドキドキしてしまいました。
拷問のグロさって格別イヤな気持ちがするんですよね・・・。
ただ、そのグロさあっての物語の面白さなので、必要な描写だとは思います。
15世紀ヨーロッパの宗教観と地動説
この作品の舞台は、15世紀ヨーロッパ。地球を中心に他の天体が動いていると考える「天動説」が信じられている時代。
逆に、地球が動いているとする「地動説」は、神の教えに背く異端とされ研究者は処刑されてしまうのです。
現代人からすると信じられない世界ですよね。宗教観の薄い日本はなおさらだと思います。
作中でいう「C教」はおそらくキリスト教のようなものでしょう。
神が絶対という考え方はまだ理解できますが、それがなぜ、イコール「天動説しか勝たん」になるのか謎です。
神が作った地球が絶対の中心だから?
いやいや中心じゃなくても、自転しながら公転とかハイレベルな動きしてる方がすごくないですか?
なんにせよ、固定概念がくずれたり変化というものが恐ろしいのかもしれませんね。
主人公・ラファウは賢いゆえに短い命だった
「生きるのが上手い」はずだったラファウは、地動説に魅入られ12歳で命を落とします。
どう振る舞えば周りに尊敬され安泰な人生を歩めるのか、賢いラファウはよく知っていましたが、それでも最後は自分の意志を通し愚かな選択をしてしまいました。
愚か、といえばそれまでですが、それはラファウが誰よりも賢いからなのだと思います。
亡くなる前日の晩、ラファウと異端審問官のノヴァクが話す場面が好きでした。
狂気を「愛」と言ったラファウは、ノヴァクや他の誰も追いつかないような境地にいるのでしょう。
死の結末は別として、型にはまった世界の外に出てその光景を見た人には、その人にしか分からない幸せがあるのだと思います。
それはきっと合理的に生きるよりもっともっと幸せなことで。
ラファウにとって合理的な美しさを求めることは、合理的な道を歩むより素晴らしいことなんでしょうね。
それにしてもラファウが亡くなるとは思いませんでした。
フベルトの研究を継いで異端審問の目を逃れながら奮闘するラファウの物語ではなかったのですね。
第2集では、また別の人物がラファウの研究を継ぐのでしょうか。
1話冒頭の光景見たらもう嫌な予感しかしないのですけど。
あの口の中でパカうわあああ怖い・・・第2集読むの楽しみです。
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