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漫画『親愛なるA嬢へのミステリー』をおすすめしたい!物語(フィクション)に囚われる2人の周りで起こるミステリー ちょっとだけネタバレ

モリエサトシさんの漫画『親愛なるA嬢へのミステリー』のおすすめポイントを紹介します!


親愛なるA嬢へのミステリー(1) (ITANコミックス)

作者のモリエサトシさんの作品はいくつか読んだことがあるのですが、個人的にはこれが一番好きでした。

狂気じみた事件の真相が面白いし、主人公2人の関係がどうなるのか気になる!

殺人事件が起きますし全体的に暗い話もあるのですが、主人公・綾乃の奔放な雰囲気と可愛さで中和されています。

本の話がたくさん出てくるので、本好きな方はより楽しめるかもしれません!

『親愛なるA嬢へのミステリー』あらすじと作品情報

作者モリエサトシ
出版社講談社
掲載誌ITAN
巻数全3巻

ざっくり言うとこんな話

  • 元・人気作家の探偵×本好き女子高生
  • 小説にまつわる事件を解決する
  • 狂った事件や犯人が面白い

あらすじ

高校生の綾乃(あやの)は、本が大好きすぎる女の子。ずっと本ばかり読んでいる綾乃を心配した母親は、現実に目を向けさせるため、親戚の啓千(たかゆき)の身の回りの世話に行かせることに。

啓千は元・人気小説家の探偵。読んだことのない本がたくさんあり居心地の良い啓千の部屋に、綾乃は自ら進んで通うようになります。

しかし、啓千の周りにはいつも彼の小説にまつわる奇妙な事件がつきまといます。「探偵のせいで事件が起きているのかもしれないよ」そんな啓千の言葉の意味とは一体・・・?

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Twitterでも第1話が読めます。

ここからはちょっとだけネタバレありです。

物語の核心は避けていますが、前情報なしに作品を読みたいという方はご注意ください。

親愛なるA嬢へのミステリー』のおすすめ感想

良かったポイントまとめ

  • 探偵(の小説)が事件を呼んでいるという設定
  • 啓千と綾乃のキャラクター
  • 啓千と綾乃の温かく微妙な関係性
  • 犯人の狂気と事件の真相が面白い

探偵(の小説)が事件を呼んでいる」という設定が良い!

この作品は、殺人事件や誘拐事件が起き、主人公2人がその真相にせまるというものなのですが、一般的な探偵ものとは少し違います。

そもそも事件は、探偵のせいで起きているのです。

『名探偵コナン』や『金田一少年の事件簿』など、探偵の行く先々で事件が起こっている状況を、逆に「探偵のせい」とネタにされることがありますよね。

この『親愛なるA嬢へのミステリー』では、まさにその通り、探偵の啓千が動機となって事件が起きています。

主人公のひとり・探偵の啓千は、都築応居(つづきおうい)というペンネームで小説を書いていました。賞もたくさんとり人気作家となった啓千でしたが、ある事件がきっかけで今は引退しています。

啓千の小説、そして彼自身は人々を魅了し、それゆえに狂気さえも呼び起こしてしまうのです。

引退してからも、啓千の残した小説がきっかけで殺人が起きたり、また啓千が狙われて被害者になったりと、彼の周りでは事件が絶えません。啓千は探偵となり、自分のせいで起きている事件を日々解決しているのです。

もちろん啓千は、事件がつきまとう宿命を重く感じていて自分を責めている部分もあります。しかしそんな暗い雰囲気をいい感じに中和してくれるのがもうひとりの主人公・綾乃なんです!

謎解きを楽しむというよりは、狂気的な事件とその動機、そして事件を通して変わっていく啓千と綾乃の関係を楽しむ作品という印象です。

主要キャラの啓千と綾乃が魅力的

主要キャラの啓千と綾乃がとっても魅力的なんです!簡単にご紹介したいと思います。

能見 啓千(のうみ たかゆき)

25歳、和服男子。以前は都築応居(つづきおうい)というペンネームで小説を書いており、賞をいくつも受賞するほどの人気ベストセラー作家だった。現在は探偵になり自分の小説がきっかけで引き起こされる事件を解決している。

大学時代、傷害事件に巻き込まれ右手が不自由に。外出するときは右手に黒手袋をしている。

普段は物腰柔らかく皆に平等な印象だが、綾乃のことになると独占欲のような態度をのぞかせることも。

本の収集が趣味。

綾乃(あやの)

16歳の高校生。本が大好きで子供の頃から本ばかり読んでいる。本の事になるとテンションが上がり抑えが効かなくなることもあるが、それ以外は素朴で素直なごく普通の少女。

皆が啓千を特別視する中、綾乃だけは啓千のありのままを見つめている印象で、啓千もそんな綾乃を信頼しているよう。

啓千と綾乃の温かくも微妙な関係性が良い!

自分や自分の小説に魅了され事件が引き起こされる啓千と、本の世界が大好きで現実よりも物語に魅了される綾乃。

物語に囚われている2人の関係が、この作品の一番の魅力だと思っています!

啓千の部屋で、いつも啓千と綾乃は背中合わせに座り、もたれ合って読書をします。そんな兄妹のように遠慮しない関係も良いですし、それ以上に様々な事件を通して深まる信頼関係が素敵です。

綾乃は本好き以外ごく普通の女の子ですが、啓千が綾乃を特別視する理由が読んでいてとてもよく分かります。啓千を「物語」の闇の部分から引っ張り上げてくれるのは綾乃しかいないんだなあと、最終話を読んでしみじみ思いました。ネタバレになるので控えますが、ラストの啓千と綾乃の関係性の引っ張り方は秀逸でした!

犯人と事件の真相が狂気じみてて面白い!

前でも説明した通り、この作品で起きる事件は啓千の小説がきっかけになって起きています。

例えば、小説の解釈をめぐった対立が殺人事件に発展したり、都築応居(啓千)の後継者と言われる作家に脅迫状が届いたり・・・。そしてその事件の動機や犯人の思考が狂気じみているんです。

小説のせいで事件が起きるという設定もそうですが、事件の内容もフィクションならではという感じがします。現実感のある話がお好みの方には物足りないかもしれませんが、この世界観にはまってしまえば、そのありえないような事件がとっても面白いのです!

犯人自体は序盤から予想できる程度のもので、犯人捜しやトリックを楽しむというものではありません。どちらかというと、犯人の心情や事件に至った経緯にスポットが当てられています。

京極夏彦さんの小説「百鬼夜行シリーズ」が好きな方はこの作品がはまるかもしれないなと個人的に思いました。少し共通点を感じます(話自体は全く違いますが)。

3巻でキレイに終わっていますが、もっと続きが読みたい作品のひとつですね!

さいごに

各話の事件を通しながら、全体の物語を深めていっているのがさすが!という作品でした。本好きの方、ミステリ好きの方、そうでない方にもおすすめですよ!

ぜひ『親愛なるA嬢へのミステリー』の世界観にハマってみてください!

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