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【37話考察】九龍ジェネリックロマンス 九龍の世界は金魚の見る夢か? ネタバレあり

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『九龍ジェネリックロマンス』第37話の考察感想(ネタバレあり)です。

前話(36話)の考察感想はこちら

各話の考察まとめはこちら


九龍ジェネリックロマンス 3 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

『九龍ジェネリックロマンス』37話は『ヤングジャンプ 2021 No.10』に掲載されました。

当記事では、

主人公を「鯨井」、工藤の元カノを「鯨井(前)」

行方不明になった方を「グエン(偽)」、蛇沼の恋人の方を「グエン(本)」

と表記しています。

『九龍ジェネリックロマンス』37話のあらすじ

休日の鯨井の部屋。鯨井は、鯨井(前)が遺した本棚の小説を物色します。

ベッドに寝転がって小説を読んでいると、楊明から連絡が。どうやら楊明が鯨井の部屋に来る約束をしていたようです。

鯨井は、小説を本棚に戻そうとしてあることに気が付きます。本棚の奥に何かがある。

それは、本物のダイヤモンドの指輪でした。

場面変わって、グエン(本)と蛇沼は映画館デート中。

グエン(本)と蛇沼は、古い映画のリバイバルである「胡蝶の夢」を見に来たのです。

映画を見ながら、グエン(本)は昔のことを思い出します。それは、金魚茶館に来ていた工藤と鯨井(前)のこと。

仲良さそうに話をする2人を見ながら、グエンは何を想うのでしょうか・・・?

グエンとみゆきちゃんラブラブでしたね!

『九龍ジェネリックロマンス』37話の考察感想(ネタバレ)

推理小説と隠された指輪

鯨井の棚に並べられた推理小説は架空のものかな?タイトルで検索してもヒットしなかったので。

『ネオン街殺人事件』の著者が南野圭吾になっていたので、東野圭吾のパロかな?と。

それはともかく。推理小説を読む鯨井は、殺人の場面を工藤と鯨井(前)で想像してしまいます。工藤が35話で、「鯨井(前)は俺が殺した」って言っていたからですね。

その時は冗談に受け取りましたが、鯨井もなんとなく気になっていたのでしょう。

そして、今回鯨井が見つけてしまったのが、本物のダイヤモンドの指輪。楊明は婚約指輪ではないかと言います。

婚約指輪は、きっと工藤が鯨井(前)にあげたものでしょうね。

それにしても、なぜそれが本棚の奥から出てくるのか。まるで隠していたみたいです。

婚約までして、工藤と鯨井(前)の仲が上手くいっていたなら、指輪はもうちょっと大切にしまってありそうです。(指にはめていなかったとしても)

工藤が鯨井を殺す(?)に至った理由が関係しているのでしょうか・・・?

そして指輪に付いているのが本物のダイヤモンドというのがね。

偽物であるジルコニアとの対比みたいで複雑です。

九龍の世界は金魚の見る夢か?『胡蝶の夢』が暗喩するもの

グエン(本)とみゆきちゃん(蛇沼)の映画デートが見られましたね!この2人の組み合わせは好きです。

グエン(本)と蛇沼が見た映画は『胡蝶の夢』。

おそらく、荘子の『斉物論篇』に出てくる「胡蝶の夢」だと思われます。(実際にそういう映画があるのかは謎)

「胡蝶の夢」を簡単に説明すると・・・

昔、荘周は蝶になった夢を見ていた。蝶として舞うことを楽しんでおり、自分が本当は荘周であるということすら考えていなかった。しかし、夢から目覚めて見ると自分はやはり荘周であった。けれど荘周は、荘周が蝶になる夢を見ていたのか、蝶が荘周になる夢を見ているのか分からなくなった・・・。

というようなお話です。

「万物は全て等しく、違いがあるように見えても、無の立場から考えれば全く同じで違いなどない」というような解説をされていました。(諸説あるとは思いますが)

難しい話のようですが・・・、

『胡蝶の夢』の話も、『九龍ジェネリックロマンス』の物語の何かを暗喩していると思われます。

『九龍ジェネリックロマンス』の物語中に蝶は出てきませんが、気になるものがひとつ。

金魚です。

作中で、金魚推してくるなあとずっと思っていたんですよね。特に、33話なんてずっと金魚の視点で物語が展開していました。

それに、水槽に閉じ込められている金魚と、九龍から出られない住人たち。重なるものがあります。

九龍は住人たちが見ている世界なのか、それとも、どこへも行けない金魚の見ている夢なのか・・・?

そんな考え方もあるかもしれませんね。

さいごに

蛇沼の整形の話も興味深かったです。誰かと同じ顔に整形しても、表情のクセがあるから全く同じにはならないという。

鯨井と鯨井(前)が、同じ顔なのに違う雰囲気に感じるのも表情のせいかな?と思ったり・・・。

それにしてもグエン(本)はみゆきちゃん大好きだなあ!平和で良いです!

次話(38話)の考察感想はこちら

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