『九龍ジェネリックロマンス』第43話の考察感想(ネタバレあり)です。
九龍ジェネリックロマンス 4 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
『九龍ジェネリックロマンス』43話は『ヤングジャンプ 2021 No.24』に掲載されました。
※当記事では、
主人公を「鯨井」、工藤の元カノを「鯨井(前)」
行方不明になった方を「グエン(偽)」、蛇沼の恋人の方を「グエン(本)」
と表記しています。
『九龍ジェネリックロマンス』43話のあらすじ
仕事の昼休み、鯨井は楊明の仕事先を訪ねます。しかし楊明は体調不良で休みのよう。連絡をしても返信がきません。
その後、工藤と昼食を食べに行った鯨井。鯨井は、工藤に楊明のことを相談します。
考えずに会いに行って話したらいい、という工藤のアドバイスを聞いて、鯨井は楊明の自宅に向かいます。
しかし楊明は会いに来た鯨井を突っぱねて家から出てきません。
今の自分を否定する楊明。そんな楊明に、鯨井はどんな言葉を掛けるのでしょうか・・・。
鯨井と楊明、女同士の友情っていいね!
『九龍ジェネリックロマンス』43話の考察感想(ネタバレ)
鯨井は「奪われてない」らしい。
鯨井と工藤が昼食を取っている場面。
鯨井は、「自分が奪われる」という楊明に「何かをあげたい」と言います。
42話の考察でも触れましたが、楊明の「自分が奪われる」は、きっと母親が選んだものを身につけ、母親の言う通りに生きてきたこと。つまり、自分の意志がない、と言うようなことだと思います。
一方、鯨井は「自分が奪われる」という感覚が分からないと言います。そんな鯨井に工藤は驚くわけですが、そりゃそうですよね。
確かに鯨井は過去がない分、楊明のような過去のしがらみはありません。だけど、過去がないってこと自体が「奪われている」といえると思います。
だって鯨井は、鯨井(前)のクローン(?)のようなものですし、「自分がない」という見方もできます。
だけど、鯨井自身は「奪われている」という感覚がない。それは、鯨井が自分をひとりの存在として確立しているからでしょうか。
「絶対の私になりたい」と言った鯨井ですが、もうその目標は叶っているようなものなのかもしれません。
鯨井って本当メンタル強いですよね。
「なりたい自分になる」元気を取り戻した楊明
鯨井の言葉で楊明が元気を取り戻して良かったです。分かってくれる人がひとりでもいるって報われますね。
「ウソを本当にしようとしている」「なりたい自分になろうとしている」
誰しもそういう部分があるのかな、と思います。どんなに明るい人でもポジティブな人でも全てが素で本当の姿だとは限りません。
コンプレックスを抱え悩む姿も、一生懸命あがいている姿も、どっちも楊明自身なんですよね。
鯨井は今まで楊明にたくさん励ましてもらっていましたが、今回は鯨井が楊明を励ます役でした。
過去が無くても、そうやって人の過去の記憶に寄り添える鯨井は素敵な女性だなと思いました。
さいごに
今回は考察というより感想みたいになってしまいました。
泣きながら鯨井に抱き付く楊明可愛すぎます。鯨井と楊明の友情が深まった回ですね。
次は、小黒の話なんかも見てみたいですね。次回も楽しみです!
コメント