こんにちは、ににゃです。
高校教師と生徒の恋愛を描いた漫画『さくらと先生』を読んだので、感想を書いていきたいと思います。
私の大好物な「教師×生徒の恋愛もの」だったのですが・・・
とっても良い!!
全体的に優しい雰囲気で劇的な展開なんかは特にないのに、気になってどんどん読んじゃいます。
なぜだ??
まあ「面白い」ということに細かい理由なんていらないとは思うのですが・・・
個人的にこの辺りがポイントかなというところはあるので書いていきたいと思います。
教師と生徒の恋愛物でベスト5に入るくらい好きでした!
さくらと先生(1) (別冊フレンドコミックス)
あらすじと基本情報
作者 | 蒼井 まもる |
出版社 | 講談社 |
掲載誌 | 別冊フレンド |
巻数 | 全5巻 |
ざっくりいうとこんな漫画
- 高校教師(男)と生徒(女)の恋愛
- 高校入学から卒業までの3年間
- 優しい雰囲気で絵柄も可愛い
- 劇的な展開が少なくて、現実のどこかにありそうなくらい自然なエピソード
全5巻で読みやすい長さ。だけどもっと続き読みたい!ってなる漫画でした。
『さくらと先生』のあらすじ
高校入学式の朝、自転車で坂道を登っていた主人公・さくらは、後ろから誰かに抜かされます。
自分を追い越してどんどん坂道を上がっていく姿が目に焼き付いて離れないさくら。
その後、その人が高校の教師・藤春先生だと知ったさくらでしたが、なんとなく彼の事が気になってしまい・・・。
無料試し読みはこちら↓ここからは超個人的な感想&ネタバレありなのでご注意ください。
『さくらと先生』の感想(ネタバレあり)
面白かったポイント
- 絵柄が可愛くて、全体的な雰囲気が優しい
- どこかにありそうな日常感
- 重たい展開がない、当て馬やライバルの邪魔もない。なのに面白い。
- お互いを好きな気持ちが、雰囲気で伝わってくる
劇的な展開がないのに面白い。
私がこの作品に特別に惹かれた理由は「劇的な展開がない」というところ。
設定も特別なものではないし、恋愛物の少女漫画でよくある展開があまりないのです。
私の思う「恋愛物の少女漫画でよくある展開」というのは、例えば「恋のライバルが現れる・好きな人に彼女がいる・主人公を好きな当て馬が頑張る」などなど。
先生と生徒の恋愛ものなら、「2人の関係が周囲にバレそうになる・立場を考えて1度別れる」といった展開もよくありますよね。
でも『さくらと先生』には、こういったエピソードがほとんどありません。全く何も起きないわけではないのですが、わりとすぐ落ち着くんですよね。
最初の方で、主人公・さくらのことを好きな同じクラスの男子が現れるのですが、3年間友達のまま終わります。途中からは、さくらと藤春先生の仲を応援して元気づけてくれます。平和です。
別のエピソードでは、教育実習にきた大学生(女)が現れ、「藤春先生と大人同士でお似合いだ」とさくらが落ち込むのですが、特にライバルになるわけでもなくモブキャラのまま終わります。平和です。
あとは、さくらと藤春先生が特別な関係なんじゃないかと噂を流されることがありますが、他の先生に呼び出されたりすることもなく、すぐ収束します。平和です。
結果平和なんですよ。ひとつひとつのエピソードをもっと掘り下げたり拗らせたりすることも出来ただろうに、なぜしないんだろう?とは思いました。
だけど、そのおかげで逆に飽きなかったような気もするんですよね。
上記で書いたような「恋愛物の少女漫画でよくある展開」が出てくると、「この展開よくあるな」と読みながら思うのですが、『さくらと先生』ではそれがなかったので特別な設定が無いながらもありきたりには感じなかったのかもしれません。
本当にライバル1回も現れなかったな。ちょっと珍しいのでは!?
そして色々考えた結果。これは「秘密の恋の話」なのだ!という結論に。
さくらと藤春先生の2人だけの世界が強いんですよね。秘密にしてるから周囲にバレないし、親友にも最低限の相談しかしません。
だから大きな事件もそうそう起こらない!(全く何にもないわけではないですよ)
だからこそリアリティがあって、現実のどこかでこんな恋が存在しているのかもと感じられるのかもしれません。
両想いなのに微妙な関係。言わなくても通じる特別な想い。
上記でも書きましたが、『さくらと先生』の恋愛は、さくらと藤春先生の2人だけの世界が強いです。
そして最後の卒業まで、付き合うという明確な関係を持たないんです。明らかに両想いなのにですよ。
だからと言って、教師と生徒だからと突っぱねることもなく。教師と生徒以上、恋人未満な関係を卒業までずっと続けるんです。
先生と生徒の恋愛物は好きで何作品も読んでいるのですが、たいがい在学中に付き合いますね。
付き合ってからの秘密の関係のドキドキ感を味わうのも楽しいのですが・・・
『さくらと先生』は、この微妙な距離感が良いのです!
さくらは藤春先生に何度も「好き」と伝えますが、藤春先生は中々想いを口にはしません。あくまで先生としての立場を崩そうとしないんですよね。
それに、藤春先生側のモノローグは語られませんし、何を考えているのか、さくらのことをどう想っているのかも途中まで明確には分かりません。(さくらのこと好きなんだろうなーとは分かるんですけどね)
もし現実だったら、だまされてるんじゃないかとか、勝手に自分が好きと勘違いしてるだけじゃないかとか、そうこうしてる間に自然消滅とか・・・不安要素が満載ですよね。
だけど、さくらと藤春先生の間には、なんとなく信頼関係?みたいなものがあって、はっきり言葉にしなくても両想いなんですよ。その微妙な関係を描くのって実はすごく難しそうだなあと思います。
一見、王道な漫画って感じがするし実際そうだと思うんですが、そういう何だか気になる雰囲気を出してくるんですよね。
3年間の中でたった1回だけデートをし、たった1回だけ藤春先生はさくらに「好きだよ」と言います。(あ、キスは2回してたな・・・)
それで十分なんです。
何でだろう。2人のキャラクターもあるのかな。
さくらは基本真面目な子だし、藤春先生も誠実だから。生徒をだまして遊んでる悪い先生感はみじんもないです。(だからこそ、たまに先生としての態度が揺らいだ時にグッとくるというのもあります!)
物語の最後は「誰も知らない秘密の話」と締めくくられるのですが、本当にそれ。
2人の関係や葛藤に重きを置いている作品でした。
坂道と自転車と2人の関係
坂道と自転車の描写を効果的に使っているところも印象的でした。
さくらと藤春先生の出会いは入学式の日。学校までの坂道。
その時、さくらは後ろから自転車で走ってきた藤春先生に抜かされ、追いつけないんです。
その後、何度もさくらと藤春先生が坂道を通る場面が出てきます。それぞれの気持ちや2人の関係性をそこに描いているように感じました。
最後の方では、さくらと藤春先生が雨の中、1枚のレインコートを2人で羽織って自転車を押しながら走ります。
その場面を見た時、「ああ、これはハッピーエンドだな」と思いました。
教師と生徒の関係で、藤春先生より10歳も年下のさくら。追いつけなかった藤春先生の背中に、時間をかけて隣に並べるようになったんです。
さいごに
この作品大好きなのですが、ただ・・・けっこうあっさり終わっちゃうんですよね。
5巻て短いのか長いのかよく分からないですが・・・もう少し見ていたかったなと言う感じがしました。
ので、続きがないか探していたら作者様がInstagramにあげてくださっていました。可愛い。
ちなみに私が勝手に作った「2021年で個人的に面白かった漫画ランキング」で『さくらと先生』は7位にランクインです!↓↓
コメント