『九龍ジェネリックロマンス』第26話の考察感想(ネタバレあり)です。
九龍ジェネリックロマンス 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
※当記事では、
現在の主人公を「鯨井」、工藤の元カノを「鯨井(前)」
行方不明になった方を「グエン」、お面をつけている方を「グエン(お面)」
と表記しています。
『九龍ジェネリックロマンス』26話のあらすじ
今回の26話は24話の続きですね。
鯨井が倒れた後、工藤は自分の部屋に鯨井を運び、寝かせていたようです。
鯨井はそのまま爆睡して、翌朝になっていました。
目覚めた鯨井に、工藤は言います。
「俺の知っている鯨井令子のことを話すか?」
しかし鯨井は、聞かなくていいと拒否します。
工藤の家を出て、街を歩く鯨井。
お香の匂いに誘われてお寺に立ち寄ります。
お寺には麻雀仲間の周さんがいました。
鯨井は、周さんに「ジャオベイ」というおみくじを教えてもらいます。
鯨井の願い事とは何なのでしょう。
そして鯨井の願い事に、神様はなんと答えるのでしょうか・・・?
工藤はなんだかんだで鯨井を気にかけてるよね
『九龍ジェネリックロマンス』26話の考察感想(ネタバレ)
鯨井(前)の話を拒否する鯨井
工藤の家で目覚めた鯨井。工藤は、鯨井に鯨井(前)の話をしようとします。
だけど鯨井は、鯨井(前)の話を聞きませんでした。
いや、読者はものすごく気になってると思いますけど・・・。
なかなか真相を聞き出せませんねえ。考察ができるので面白いところでもあるんですが。
自分から話をしようとするということは、工藤はもう腹を決めたってことなのでしょうか。
元々あんまり隠す気なかったのかな?じゃなかったら、元カノの写真をうかつに見られたり、鯨井を金魚茶館に連れて行ったりしないですよね。
鯨井が話を聞かなかったのは、迷いがあったからなのかなと思います。
鯨井(前)のことが気になって知りたかったのも本当。
だけど、聞いてしまったら「自分の存在が何か」ということが決定的になってしまう。
しかも、恋している工藤から鯨井(前)の話を聞くのは、きっと勇気がいるでしょう。
ジャオベイに願う鯨井の願い事は?
ジャオベイとは、台湾式のおみくじ。漢字で書くと「筊杯」です。
地面に投げて出た、ジャオベイの表裏の組み合わせで占いができるそうです。
- 聖杯(裏×表)→願いが聞き入れられた
- 筊杯(表×表)→もう1回
- 怒杯(裏×裏)→もう1回
鯨井は、何度やっても怒杯(裏×裏)しか出ません。
周さんの「結果を変えずに同じことを願ってごらん」と言うアドバイスが面白いなと思いました。
鯨井は、無意識に鯨井(前)の影を追っているのでしょう。
メガネもイヤリングもやめて、自分自身を生きようとしていた鯨井でしたが、いつの間にか鯨井(前)に引っ張られていたようです。グエン(お面)の言ったことがけっこう効いてるのかな。
もし神様がいるとしたら、「鯨井(前)の影を追って工藤と結ばれても幸せになれない」と忠告してくれているのかもしれません。
「絶対の私」が意味するもの
鯨井の願う「絶対の私」とはなんでしょう。
前回25話でも「絶対」という言葉が出てきました。蛇沼みゆきのセリフです。
【絶対】他に比較するものや対立するものがないこと。
goo辞書より引用
鯨井(前)のことなんて関係ない、ましてや鯨井(前)を知る人も関係ない。
誰とも比べられない、たったひとりの自分であること。
鯨井は、初めて明確に言葉にしたのではないでしょうか。
「絶対」も大事なキーワードのようです。
鯨井が目指す絶対と、蛇沼の目指す絶対は、ある意味同じなのかもしれません。
さいごに
鯨井は、改めて決意したようですね。
ただ、鯨井が自分の人生を生きようとするなら、鯨井がいる意味ってなんでしょう。
外見も設定も鯨井(前)と同じである意味ってなんでしょう。
その辺りの矛盾が今後語られるのでしょうか・・・。
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